(臨床レポート:0518)側頭葉てんかん、日に2、3度10秒から30秒間意識が消失する発作

診察日
平成16年5月18日初診
患者さん
40才女性
環境
主婦。最近、パート就労している。

鍼灸治療の経験なし

横浜市都筑区在住。
身体的特徴
身長160センチメートル。普通体型。

肌の色は良好だが、アトピーがある。食事は菜食中心、玄米食を中程度。明るいが、割合ずぼらな性格とのこと。社交性は中程度。
症状
側頭葉てんかん
新しい職場に就職してから症状が悪化して、自覚はないのだが、一日に2、3度10秒から30秒間程度意識がなくなることが多くなってきて、物忘れも多く、職場から仕事に差し障りがあるので医者の薬を服用するように強く求められている。

心療内科の医師に処方されている薬、テグレトールを服用したくないので、鍼灸、東洋医学で治したいと来院。
診断と証
側頭葉てんかんの一般的注意事項(南山堂医学大事典より)

側頭葉の外傷、腫瘍などによって現れる特有の精神、神経症状。
精神症状としては
腫瘍で精神運動発作 = psychomotor seizure。
海馬回鉤付近の腫瘍による圧迫で回鉤発作 = uncinate fit。

  • 時任奇経で心体系。
  • 脈状は速、弦脈。

    (ここで言う弦脈とは、強く張った琴の糸をパンとはじくような脈状です。私の経験ではこのような脈状の場合、患者さんご自身のエネルギー作用に加え、それ以外の強いエネルギー作用を外部から受けているときに現れがちです。)
  • 体質は虚証タイプ。
ホメオパシーとしてテグレトールを耳介のツボに貼って様子をチェック。

一週間後来院。

頭が締め付けられるような感じがするが、意識が途絶える発作は無い、とのことなので次の一週間はテグレトールのシールを耳介のツボから外して違いをチェックしてもらった。

同シールを貼らなくても発作もなく、楽だとのことで、また一週間様子をチェックしてもらう。シールを余分にお分けしておき、発作が出そうであれば貼付するように伝えた。

テグレトールシールのホメオパシー的、間欠的な利用で発作が出なければ効果があると考えた。

自己治療ではリバースメタルを使用してもらった。

その結果、生理作用が活発になり、月経が順調になって経血量も平均に増えた。同時に経血の色がきれいな鮮血になってきた。

本人が自発的に発声練習の講座を受講。その際に強度な発声運動を行ったため、顎関節症の様になってしまったとのこと。

  • 両顎の咬合筋付近に固さがあったので、神門を用いて対角線療法を行うと、頭がスーとすると言う。
  • 百会などに置き鍼を施し、手首の要穴からエネルギーを補充する治療を始めた。
  • 左手人差し指の第一関節間の冷たさを常時訴えるため、虚血状態のレイノー病が現れていると考え、同部位に金製の鍼にて氣の補充を施した。
以前からご夫婦お揃いでの治療をお願いしていたところ、本日はご主人様にもご理解いただいたようで、夕方奥様治療中にご主人様が来院された。

奥様にとっての最大の理解者が治療に加わることで一層癒しの効果が高まると確信した。

スピリチュアル・ケアー

本日はとても大切なことを知った。

奥様は松江の由緒ある寺の娘で、奥様ご自身は信仰と言うほどのはないといっているが、ご主人も何かの信仰を持たれており、毎日お祈りを欠かさない生活をされているとのこと。

このように聞かされると、治療中に様々に特異な変化を見せる氣のうごき、それをブロックするような反対の氣の動きなども意味のあることのように思えた。

本日は、そのブロック作用をする氣のようなエネルギーが一つ、百会に刺鍼したときに現れた。刺鍼で気分がおかしいと言う。一群のかなり抵抗性を示す氣の固まりが後頭部に出ていた。それを後頭部から大椎と導き降ろし、督脈を下がらせて腰椎の5番付近から放出させることが出来た。

本人にそれを伝えなかったが、すぐに本人の顔色が快復した。「今、背中から何かが出ていったようだった。」と言う。

奥様に対して、氣の作用の方面から判断しても、適切な信仰生活を送っていただくことに大切な意味があることをアドバイスさせていただいた。

ご主人様には、”信仰” プラス ”氣の運用” がより効果的なことをアドバイスさせていただいた。

治療経過
7月中旬現在4回治療に来られている。具合良く、気に入っているようす。
治療効果
メンタル、スピリチュアル両面が敏感な方であるので治療の効果が即現れるが、刺鍼には細心の注意を要する。カラー治療でも探索棒で最適ポイントを探索していると、こちらの反応と本人の反応が全く同時に一致する。
考察
現代の三大疾患という、癌、糖尿病、鬱病のうち、とくに癌と鬱に関してはスピリチュアル・ケアの方面からもアプローチしていく必要があるのではないだろうか。