我が国の漢方学史上には二人の名人がいる。華岡青洲と、吉益東洞(よしますとうどう)である。
後者の吉益東洞の著書「薬徴(上卷、中卷、下卷)」(読み仮名:ヤクチョウ)、上卷に「テイレキ」という不思議な薬草についての記述がある。
吉益東洞の研究によれば、この「テイレキ」と「ナツメ」を併せてお薬として服用すると、以下のような症状に効果があったと記述している。
その症状とは;
顔が腫れて、鼻が詰まるか、または鼻水が出て止まらず、佳い香りなんだかクサイ臭いなのかさっぱり分からないし、味覚も酸っぱいのか辛いのかが分からなくなってしまう。
という症状なのだそうな。
この症状に心当たりのヒトは現代日本に少なからず居るのではなかろうか。
つまり「花粉症」である。
江戸時代から実は花粉症があったのかも知れない、というのは学問的にも興味深い。
それ以上に興味を引きつけられるのが次の記述だ。
—ここから引用(ただし本院研究員長友の現代語訳)——–
特徴
テイレキには甘い味のものと、苦い味のものと2種類ある。
甘いほうのテイレキは薬効が無いから使えない。
自分の知る限り、日本には苦いテイレキが無いようだ。
噂によれば、関東には時々あるらしい。
—引用ここまで——————————————————
苦くないと薬効が無い、というところが興味深い。
なるほど味を試してみると、ほとんどのアブラナ科の種子は甘い。
吉益東洞のこの記述について、吉益東洞研究の第一人者、角田睦子先生は次のようなコメントを残されている。
「寿庵按ずるに、これはアブラナ科イヌガラシの種子である。古方薬品考ではイヌナズナとある。」
(本院注釈:寿庵とは睦子先生がご自身の事を言われている。按ずるに=案ずるに、と同じで考えること。)
当院ではこのアブラナ科イヌガラシの栽培研究を18年間実施してきた。
イヌガラシの種子が一様に苦いか、といえばそうでなかった。おおむね畑地に生えるイヌガラシは味覚が良い。つまり甘い。
極まれに苦いものが見つかる。
それでこの種子を採取して研究栽培することにした。
ところが畑地に栽培すると、ほとんどが甘くなってしまう。
甘くたって薬効はあるだろう、あるに違いない、と患者さんに協力してもらって臨床試験をすると、ほとんど効果が無い。
甘いけど、あまくなかった!
それに元来イヌガラシは雑草の扱いを受けるくらいであったから、その種子は小さく、収穫はほんのわずかな量でしかなかった。
こんな収量ではとんでもない高価な薬草になってしまう!
それから品種選抜と品種改良を12年間毎年続けた。
6年前からようやく薬効と収量とが満足できる程度のものが完成した。
患者さんに試してもらうと、およそ6割程度の患者さんには効果があることが分かった。
ところがこの薬草は厚生労働省が定める基準の、「第十六改正日本薬局方 名称データベース」には収載されていない。
つまり、生薬としては認められていないことになる。つまり、これが効くとは言えないのだ。
考えようによっては6割程度の患者さんに効くなら、4割には効果が無いということだ。それなら厚生省は生薬として認めることはあるまい。
認められていないが、臨床では6割の患者さんに効果があったので、これは世に出すべきだと考えた。
サンプルで効果を確認しながら実施したら、効く体質の患者さんには恩恵だ。
(服用の方法)
服用の方法にちょっと特徴がある。
1:各自にちょうど良い適量がある。適量を著しく超えると便通がつきすぎてしまったり、軟便になったりする。
2:写真の1パックが大人2人の一日分という目安だ。これをお米と一緒に炊飯器で炊きあげて、炊きあがったら良く混ぜ、ご飯と一緒に食する。
3:お弁当に持っていったら尚佳い。
4:体質に合うかどうかは6時間以内に分かる。朝食したら昼頃には分かる。夕方になっても効果が分からなかったら、(残念だが)自分の体質には適していないと判断する。
5:賞味期限は、常温で3週間、冷凍したら1年間。
6:体質とうまく合うと、はじめてから3日間~1週間程度は持続する。怪しくなったら再び食する。概算すると持続が3日間として、10包あれば30日間分。だいたいこのくらいの期間で各自に苦手な種類の花粉は収まる。
早速試したい患者さんは、このホームページから予診票を印刷して、必要事項を記述し、fax送信してください。
予診票Pre Diagnostic Paper_1-2
1パック300円、送料手数料別でお分けします。
(体質に適するかを試すには通常1パックで足ります。別途の送料手数料は270円、ヤマトのメール便速達を使います。)